地域社会はもう存在しない。まずこのように断言した方が問題がはっきりするだろう。それというのも、いまだに生活共同体としての地域社会(地域共同体)が存在するかのような見当違いな発言がめずらしくないからだ。
「今どきの親は自分の子どものことしか考えない、それに比べて昔の親は自分の子どもも隣近所の子どもも同じように叱った」といわれる。
昔の親が隣近所の子どもを叱ったのは、地域共同体が存続しなければ家業が潰れてしまうからだ。隣近所の子どもも自分の家の跡取りと同じように、ちゃんと
した大人に育ってもらわなければ困る。あたたかい心をもっていたから隣近所の子どものことを気にかけていたわけではない。生活の必要から隣近所の子どもの
世話を焼いたのである。
現在の親は会社から給料を受け取っている。メディアで報道される日本経済の動向に関心をもっても隣近所の子どもに目が届かないのは当たり前だろう。昔の親が賢明で、現在の親が愚かなわけではない。
家業と地域の生産活動を基盤とする地域社会は高度経済成長期に消滅した。それにもかかわらず、その時期なお地域社会が存続するかにみえたのは、地域共同体の記憶が多くの住民に共有されていたからである。
ドリコムアイ.net (via nakano)(via yaruo)
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